「メットガラ ドレスをまとった美術館」
2016年/アメリカ/英語/ビスタサイズ/91分/原題:THE FIRST MONDAY IN MAY/監督:アンドリュー・ロッシ
ニューヨーク、マンハッタン。セントラル・パークの東に鎮座するメトロポリタン美術館(MET)。毎年5月の第1月曜日になるとアート・ファンとファッショニスタが注目する《メットガラ》が開催される。2015年は5月2日に、同美術館の服飾部門の「鏡の中の中国(China: Through The looking Glass)」のオープニングイベントとして華やかに幕開けした。普段は観光客や入館者がたむろする大階段にレッドカーペットが敷き詰められ、ポップスターやアカデミー賞常連俳優、ファッションデザイナーなど、世界中から招待されたセレブがフラッシュの光を浴びてそぞろ歩く舞台に早変わり。セレブとこの夜限りのゴージャスな衣装が競演する狂乱の一夜は、マンハッタンに初夏を告げる風物詩となっている。 《ファッション界のアカデミー賞》とも呼ばれる《メットガラ》の主催者は、ファッション誌US版「VOGUE」編集長アナ・ウィンター。映画『プラダを着た悪魔』の敏腕編集長のモデルとして知られるが、メットの理事という顔もある。また、今回の展覧会のキュレーターは、アナと同じイギリス出身のアンドリュー・ボルトン。11年に回顧展「アレキサンダー・マックィーン/野生の美」を大ヒットさせた気鋭の人物で、現在は同部門の主席キュレーターを務めている。15年は彼の発案で、中国の影響を受けた西洋のファッションと、美術、歴史、映画との融合をテーマに展覧会が開催された。 世界最高峰の美術館で開催される挑戦的な展覧会の制作過程と、《メットガラ》の赤裸々すぎる舞台裏に飛び込んだドキュメンタリー映画。 ※パンフレットから引用※
という感じの内容。
美術館ドキュメンタリー、それは…
静かな館内で貴重な美術品やそれらにまつわる歴史の事を説明している人の声が館内に響き…また別のカットでは、あまり大きくない部屋で関係者が1人粛々とインタビューを受け…
ではないです。
メトロポリタン美術館、通称《メット》の年に一度のファッションイベント!なので、映像も音声も華やかです。
会話が飛び交ってたりもします。
たまに静かです。
メットガラの目的は、服飾部門の活動資金の調達。
その為、招待客の席料は1人あたり25,000ドルと高額!にも関わらず、600席とかが瞬時に満席になるらしいです。
2015年までに集まった活動資金の総額は1億2千万ドル超!(日本円で133億円超)だそうで。
スゴイネ…
これだけの資金を集める為のイベントとあって、劇中では、アナのアシスタントが招待客の整理に苦心したり、アナ自身も出席者の席順に頭を悩ませたりと大変そうです。
出席者の顔ぶれが、確かに凄かったので少しだけ記載します。(衣装も凄かった)
リアーナ、レディー・ガガ、ジャスティン・ビーバー、ジョージ・クルーニー、アン・ハサウェイ、ビヨンセ・ノウルズ、ジェニファー・ロペス、マドンナ、サラ・ジェシカ・パーカー、ベン・スティラー、ユマ・サーマン、オーウェン・ウィルソン、カニエ・ウェスト、ジャン=ポール・ゴルチェ等々(本当に少しだけ…)
※パンフレット表紙はこの日のメインゲスト、ポップスターのリアーナ。
派手やかなお話終了
では展覧会のお話を
この展覧会の発案者で主席キュレーターのアンドリュー・ボルトン氏。
“ファッションはアートだ”という考えで準備を進めていきます。
が…
芸術監督たちやメット館長、当時の主任キュレーター、それぞれの持論があり…
当のファッションデザイナーたちにも、意外な?色んな?考えが…
立場や職業によって様々な考えがインタビューなどで披露され、その答え一つ一つが感慨深いなと。
展覧会のために送られてきた服を見て、スタッフから感動の声が上がる…それくらい緻密で繊細な服たち。
繊細な装飾の衣装は、厳重に梱包されて送られてきても補修が必要なものもあり、それらを丁寧に扱うスタッフの姿は、展示品を大切に思う気持ちや創作者への尊敬のようなものが感じられ。
補修を終えた服を着たマネキンが部屋いっぱいに並んでいる様子は圧巻。
今回の企画はアジア美術部門と共同開催、なので中国の美術品なんかも少し映ったり。
華やかな企画の裏側に
一つの展覧会を創り上げる
楽しさや面白さ
矛盾や苦しさ
沢山のエネルギーと
真っ直ぐな思いが
伝わってくる
そんな映画。
果たして、ファッションはアートなのか否か…。
おわり
読んで頂き感謝です。
それでは、また。